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みん経トピックス

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エリア特集2016-12-01

【連載】SingaLOCALife vol.20
シンガポールの教育システム ノーベル賞を受賞する日(後編)

 現在ローカル小学校では「モデル式」といわれるブロック図を用いる計算方法が推奨されていて、アセスメントブックにも書かれています。しかし、その解き方では応用問題を解くには限界があると専門家は見ています。本来「モデル式」は、低学年指導を目的に導入された方式で、特に高学年の難しい問題ではうまく応用ができないのです。

 そしてもう一つ、大きな問題は「たとえ解答が合っていたとしても、担当の先生が指導した解き方以外の方法で解を導いたら評価しない」という先生がいることです。これは定期試験において見受けられます。サカモト式では、考案した独自の解き方で算数を教えています。3段階で文章題を図式化することで、どの文章題でも同じ方法で解が得られるという方式です。しかし、小学校の先生はこの解き方を知りません。自分が指導した方法以外の算出方法については、評価をしない場合があるのです。

 その理由には、先生の多忙さが原因と若林さんは指摘します。「予定外のことをやりたくない」という公務員的発想が障害となって、算数の広い世界にリミットをかけてしまっている。学校の先生は多忙です。教育の質を高めるための「良い教育者」という視点より、目の前のタスクをこなすことが優先事項になりがちです。

 シンガポールには「Gifted Education Class」と呼ばれる特別教育があります。これは、いわゆる秀才の子どもだけを集め、特別に指導しているクラスです。このクラスの先生は、子どもの才能を伸ばすことが最優先とされ、能力開発に意欲的です。このような特別学級が増えると、将来的にノーベル賞受賞者が出てくるかもしれません。

  ノーベル賞は、数十年間粘り強く研究結果を蓄積してきた人に与えられます。シンガポールは建国が若い国。結果を出すのには時間がかかるかもしれません。PSLE400点満点のうち3分の2を言語科目が占めます。国家政策として言語教育に力を入れてきたわけですが、今後このPSLEの点数配分が変更になることも示唆されています。成熟化が進むシンガポール。優先事項が言語教育からシフトした時、「世界に与えるインパクトの種」が育っていくのかもしれません。

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