特集

キッザニア・シンガポール「子どもにライフスキルを」
ゼネラルマネジャー、レオン・ユー・ウェンさん

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オープン前の視察では、どの店に行きましたか?

 日本の東京と甲子園のキッザニアを視察しました。キッザニアは定期的に各国の運営会社が集まって合同ミーティングをしますので、そこで学んだりしました。東京は今年でオープン10年目。1999年にスタートしたキッザニアの1号店はメキシコのサンタフェにあります。ここに東京の運営会社のオーナーが訪れ、気に入ったことがきっかけでキッザニア・東京が生まれたと聞きました。東京店は10年、大先輩です。

キッザニア・シンガポールの目標について教えてください

 大きく二つあります。全てのキッザニアが目指すことですが、一つは、子どもが若い時点で将来何を目指すかを体験できる場を提供すること。もう一つは、子どもたちが自信を持ち、コミュニケーション能力、決断力、ファイナンシャルリテラシーなどのライフスキルを45時間の滞在時間で経験できること。さらにチームワーク、リーダーシップなどのスキルを育てられることですね。

 私は「キッザニア・シンガポール」で特に教育面で貢献できると考えています。シンガポールにはたくさんのアトラクションがありますが、われわれは他のアトラクションとは違い、教育的な価値、特にライフスキルの気付きを提供できると考えています。

オープンして約1カ月がたちました。観光客、在星外国人を含む地元の人、どちらにターゲットを置きましたか?

 シンガポール国内の通常のテーマパークビジネスの基本集客は旅行者がメインです。例えば、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールは年間400万人を集客しています。われわれは1日の集客人数はわずか1500人(子ども、大人含む)ですが、私はシンガポールの子どもたちに重きを置きたいと考えています。差別化としてターゲットをシンガポール人の子ども、駐在のお子さんなどのリピーターを集めたい。ここ数年でキッザニアはすでに近隣諸国に多くオープンしています。シンガポール国内でのキッザニアブランドの認知がありますので、シンガポールの子どもたちに多く訪れてほしい。キッザニアの通貨「キッゾ」は全世界23店舗、どこでも使えます。

「キッザニア・シンガポール」ならではの特徴について教えてください

 他のキッザニアは商業施設の中に建設される事が多いのですが、シンガポールは建物から造りました。いわゆる「Purpose Built」(特設)です。スタジアムや学校施設もユニークですし、実際に使用されていたボーイング737の飛行機を1機丸ごと入り口にディスプレーしていることは世界で初めてで、かなりユニークでそれから、シンガポールが誇るローカルブランドを紹介したいと思いました。「ペラナカン博物館」や「キリニーコピティアム」がそうです。

日系企業も多く出展していますね。サンスター、キヤノン、ヤクルト、東芝などがありますが、これは意識的なものですか?

 いいえ、シンガポールで展開されているブランドに幅広く声を掛けさせていただきました。現在12のテナントパートナーが出展を待っている状況です。他国のキッザニアで出展経験のある企業の参加は、すでにメリットを感じていただいているのでスムーズに出店していただきました。

商品を販売している店舗が比較的少ないと感じました

 ピザ、フライドチキンなどは施設内で飲食を楽しんでいただくために販売していますが、基本的には店舗販売は不可です。「セブン-イレブン」も全く買えないコンビニの仕様になっています。お土産やグッズの販売店舗もありますが、飲食店は多すぎないようバランスをとっています。

子どもだけ買うことのできるギフトショップがありますね

 店舗で「仕事」をして稼いでいただき、キッザニアの専用通貨「キッゾ」をギフトショップへ持ち込み買い物をする。これはファイナンシャルリテラシーにつながると考えています。仕事の対価として金銭を頂き、それを銀行に貯金するのかそれとも使うのか、これは良い金銭感覚を育むのではないでしょうか。

ここで最も子どもに体験してほしい、持ち帰ってほしいものは何ですか?

 最初にお話したライフスキルですね。もう一つは「全ての仕事、職業をリスペクトすること」です。家に帰ってコップを自ら進んで洗うということだけでも小さな成功だと思います。

キッザニア・シンガポールが貢献できることは何だと考えますか?

 リピーターも多いですし、学校からはスクールトリップとして遠足で来ていただいています。現代の教育環境の中で子どもたちは多くのプレッシャー、ストレスを感じています。キッザニアはその子どもたちに楽しい施設を提供して、バランスの取れた教育環境を体験してもらうことができます。

初年度のゴールについて教えてください

 1年目はブランド構築で認知向上に努めたい。今年は年間の最大集客人数の約75%であれば良いと考えています。実は、アフターファイブ・プログラムがあり、17時を過ぎると子どもは帰り、グループなどで大人がキッザニアを貸し切ることができます。すでに2組、大学と誕生日パーティーで使っていただきました。シンガポールはMICEにも力を入れており、そのニーズにも応えたいと思っています。しかし、それはもちろん、主役の子ども達が帰ってからですけどね。

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