ビデオゲーム音楽のオーケストラ演奏-シンガポールで初公演

ゲーム画面が映し出されるスクリーンの下で演奏するシンガポール・フェスティバル・オーケストラと指揮のアーニー・ロスさん。

ゲーム画面が映し出されるスクリーンの下で演奏するシンガポール・フェスティバル・オーケストラと指揮のアーニー・ロスさん。

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 ビデオゲーム音楽をオーケストラで演奏する「プレイ! ア・ビデオ・ミュージック・シンフォニー」が6月15日~16日、エスプラネード・コンサート・ホール(1 Esplanade Drive)で開かれた。アジアで初となる今回の公演は「シンガポール・アーツ・フェスティバル」の中でも特に前評判が高かったこともあり、前売りチケットは完売だった。

 エスプラネード・コンサート・ホールは最大1600人を収容。合計3回の公演で約5,000人がコンサートを鑑賞した。ステージ上のオーケストラの頭上には3つの大スクリーンが設置され、ビデオゲームの映像と演奏する様子が生で映し出される演出。

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 同コンサートの指揮は、グラミー賞受賞のアーニー・ロスさん。2004年にウォルトディズニーコンサートホールでのコンサートで初めてゲーム音楽のオーケストラを指揮した。演奏は「シンガポール・フェスティバル・オーケストラ」。「ボーカル・コンソート」や「シンガポール大学コーラス」も参加したほか、コンサートホールに設置されているパイプオルガンも演奏に使用された。

 曲目は、「スーパー・マリオ・ブラザーズ」「シェンムー」「ロストオデッセイ」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「ファイナルファンタジーVI/VII」「ゼルダの伝説」など全18曲。米国のゲーム「ヘイロー」や「ワールド ・オブ・ウォークラフト」なども演奏された。演奏中は数十年前の懐かしい映像から最新の美しい映像までを生演奏の映像と一緒に音楽に合わせて映し出されていた。

 今回のコンサートに合わせて日本から2人のゲーム音楽の作曲家が参加。「イース」「ソーサリアン」の古代祐三さんと「シェンムー」「デイトナUSA」の光吉猛修さん。古代さんは同コンサートホールに隣接するコンコースで通りがかりの人に向けてDJを披露。コンサートでは代表作の一つ「ザ・スーパー忍」がオーケストラによって演奏された。光吉さんはインターミッション直後にピアノの弾き語りを披露。「デイトナUSA」を熱く歌い上げ、演奏後は客席に向かってソニックのぬいぐるみを投げ入れた。

 海外でゲーム音楽がオーケストラによって演奏されるのは2003年にドイツ・ライプツィヒのゲヴァントハウスでチェコ国立交響楽団によるものが初めて。以降、欧米で演奏されることが増えていたが、今回は日本を除くアジアでの初めての演奏となった。

 光吉さんが同コンサートに参加はするのは昨年のシカゴ、トロントに続いて3回目という。「これまでのいずれの都市のゲームセンターでもいまだに『デイトナUSA』が置かれている。十数年前に録音した私の叫び声が今でも世界の各地で流れているのは大変うれしい」と話している。「海外でゲーム音楽の演奏と聞いて最初は『きっとマニア向けのもの』と思っていたが、実際に参加してみると広く受け入れられていることに驚いている」とも。光吉さんは自身の活動と今後のゲーム音楽の将来について「ゲーム音楽はとても自由なもの。音楽のジャンルを問わず、演奏のスキルも問わない。私もゲーム音楽の様にジャンルや国の内外にこだわることなくどんどん挑戦していきたい」と話している。

プレイ!‐ア・ビデオ・ゲームシンガポール・アーツ・フェスティバル

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