ジュロン・バード・パークで日本人女性獣医師が活躍

男性スタッフと協力しながら負傷した鳥の雌雄を判別する奥村さん

男性スタッフと協力しながら負傷した鳥の雌雄を判別する奥村さん

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 ジュロン・バード・パーク(2 Jurong Hill)で現在、日本人女性の奥村智春(ちはる)さんが獣医師として活躍している。

パーク内で飼育する鳥だけでなく負傷した野鳥の治療にもあたるという

 「小さいころから動物が大好きで自然な流れで獣医師の道を選んだ」という奥村さん。日本では民間の動物園や動物病院などで獣医師として勤務し、シンガポール人のご主人と結婚。「英語と中国語で教育が受けられる環境で子どもを育てようと考えて10年ほど前にシンガポールに移住した」という。

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 来星後は日系企業に勤務する傍らで、動物園でボランティア活動にも参加。獣医師として現場復帰するきっかけはたまたま見つけた「求人」だったという。「主人から『このチャンスを逃したら二度と獣医師には戻れないのではないか』と後押ししてもらった」という。

 同パークで勤務する獣医師は奥村さんを含めて4人。全員の国籍が異なる環境で獣医師として働く奥村さんだが「動物が好きな人が集まっている中で仕事ができるという点では日本と同じ」と話す。一方で「宗教によっては豚がダメな人もいるので、豚のエキスが入った薬や餌などを使わないようにするといった配慮は必要。日本だと考え方や治療のアプローチがどの獣医師も似ているが、教育を受けた環境が異なるのでさまざまな考え方があり切磋琢磨(せっさたくま)できるのがいい」など、シンガポールでしか味わえない経験もあるという。動物に対する配慮も日本と異なるといい、「シンガポールは熱帯の気候なので、日本では考えられないような病気にかかることがある。鳥たちの身体を常に清潔にして腐敗に気をつけるなど、衛生面は特にスタッフも気を配っている」という。

 週末勤務もあり不規則な勤務形態ながらも「家族全員がサポートしてくれている」という奥村さん。「毎日違う経験が得られるところが獣医師の魅力。体調も毎日違うし、さまざまな種類の鳥を治療することができるのも楽しい。獣医師としては数年のブランクはあったが、最近ようやく昔の勘が戻ってきたこともありとても充実している」と話す。

 「当パークは世界各地の380種類以上約5000羽の鳥を一度に観察できる世界でも珍しい施設。ゲージ内の様子だけでなく、パーク内を自由に飛び回っている様子を観察できるので、バードウオッチングをするような感覚で楽しめる。私自身ももう少し深く勉強しながら、もっと多くの人々に鳥に対する興味を持てるような話題づくりのお手伝いをしたい」とも。

 開園時間は8時30分~18時。

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