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シンガポールで「教育フォーラム」、グローバル人材の育て方

シンガポール日本人会館で行われた「教育フォーラムin シンガポール」

シンガポール日本人会館で行われた「教育フォーラムin シンガポール」

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 シンガポール日本人会館(120 Adam Road)で6月29日、「教育フォーラム in シンガポール」が開催され、子どもを持つ保護者約200人が集まった。

 シンガポールの教育、進路、学校選択などについて考える同フォーラム。主催のシンガポール教育関係者連絡会はシンガポールの日本人学校、日系学習塾、教育関連団体など教育業界の関係者が昨年設立し、フォーラムは今回が初開催となった。

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 「進路について」「学校選択について」「グローバル人材について」の3つのテーマでパネルディスカッションが行われ、パネラーには早稲田渋谷シンガポール校、シンガポール日本人小学校、同中学校、日系学習塾、シンガポール国立大学准教授、日本人学校運営理事などが登壇した。

 シンガポールには日本人学校、インター校、ローカル校の3つの選択肢があり、それぞれに異なった教育内容や言語があり、子どもにどの進路を選択させるか悩む親が多い。また、日本人高等学校がある国は海外では珍しく、日本に帰国せず日本の高等学校教育を受けることができる。選択肢が多く日本人学校を選ぶかインター校を選ぶか迷いが生じ、インター校から日本人学校、日本人学校からインター校へと転校するケースも多い。同フォーラムでもその2択で悩んでいる保護者が多く、どちらを選択することが子どもの教育にとって良いかが焦点となった。

 シンガポールで生徒数250人を教えている学習塾「KOMABA」学長の石川晋太郎(しんたろう)さんは、「全ての生徒が帰国子女としてのサクセスストーリーを描いているわけでないのも実情」と指摘した上で、「自分自身のステージに自分の力で上がれることが今必要とされていること」と話す。日本人の基盤の教育を考え直しながら、グローバル教育を進めていく重要性を説いた。

 シンガポール日本人学校小学部クレメンティ校の前川嘉宏(よしひろ)校長は「インターにするにせよ、日本人学校にするにせよ、親子でしっかり考えることが大事」と指摘。「やり直しが利かない貴重な1年。何度も親子で話し合い、できるだけ考えてほしい。親が子に一番愛情を注いでいるが、愛情がありすぎるからこそ冷静な判断ができないということがある。第三者の意見を聞いて進路を相談することも必要」と話した。

 グローバル人材については「日本人としての一本の軸を持っていることが大事」と日本航空支店長、日本人学校運営理事長の山下康次郎さん。「一人で多様性は持てない。いろんな多様性の中で、自分がどんな役割を果たすのかきちんと考え実行できる力が求められている。多様性の文化を容認するためには、自分に文化がなければいけない」と説いた。

 その後も、「日本人らしさ」を持ちながら語学力を向上させ、多様な社会の中で活躍できるグローバル人材をどう育てていくべきか、活発な議論が繰り広げられた。シンガポール日本人中学校ではそうしたニーズに応えるため、来年度より「グローバルクラス」を開講することも紹介された。現在は体育や音楽、美術や家庭科を英語で教えるイマージョン教育を導入しているが、同クラスでは数学や理科も英語で授業を行うという。

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