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シンガポールでぜんじろうさんお笑いライブ 地元民向け英語公演も盛況

26日「ZENJIRO:KAMIKAZE Stand up comedy」と題したオール英語公演を行うぜんじろうさん

26日「ZENJIRO:KAMIKAZE Stand up comedy」と題したオール英語公演を行うぜんじろうさん

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 吉本興業所属のお笑い芸人ぜんじろうさんがシンガポールのコメディークラブ「The Merry Lion」(8b Circular Road, Level 3)で10月26日と27日、お笑いライブを開催した。

27日のオール日本語公演「爆笑!サタデーナイトコメディライブ!」でのぜんじろうさん

 一人でステージに立ち観客に向けてまくし立てる欧米などでは主流の「スタンダップコメディー」は日本ではあまりなじみのない笑いだが、今回シンガポール公演にあたり、ぜんじろうさん自身がシンガポールにある日系飲食店やメディア媒体を中心に口コミでライブの宣伝を行い、両日ともに立ち見客が出ていた。

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 26日「ZENJIRO:KAMIKAZE Stand up comedy」と題したオール英語公演では多くの地元民や欧米人など、さまざまな国籍の人が来場。国際色豊かな会場で人種や社会問題に加え下ネタなど際どいテーマや毒のある内容も笑いに変えて会場を沸かせ、「芸人 from Japan」ではなく人種や国籍関係なく「Stand up comedian Zenjiro」として来場者に認識された。

 27日のオール日本語公演「爆笑!サタデーナイトコメディライブ!」では在住日本人のほか、日本語を話せる地元民や前日に引き続き来場していた人もいた。前日より日本人に合わせたテーマを取り扱い、ネタのメニュー表が配られ来場者がリクエストしたものを披露する参加型のお笑いライブを行った。「中国での公安拘束」「日本と海外のユーモアの違い」「インドであった笑いの神様」など現地日本人がよく出張する国を取り上げ客観的かつ論理的な笑いを展開し、会場が爆笑の渦に包まれた。

 日本にはまだないジャンルの笑いである、なぞなぞ形式の突拍子もない質問に対する、同じく突拍子もない答え(punchline、ジョークのオチ)を言う「ワンライナー・ジョーク」(one-liner joke、1センテンスのジョーク)では、論理的に物事を捉えて行う「ワンライナー・ジョーク」の方法論を学び、普段英語で行っているネタを日本語に置き換え披露した。

 アメリカ人の元婚約者と二人三脚で歩んだ自身のアメリカ苦労話を題材にした「ストーリーテリング」(伝えたい思いを想起させる印象的な体験談などの物語を引用することで聞き手に印象付ける手法)では、英語表現が難しい日本人に根付いた人情噺を取り入れ、次々と起こる笑いの中で来場者がほろっと涙を流す場面もあった。

 26日に来場した地元民は「一般的に笑いの題材としてタブーとされているテーマが扱われていて、正直ドキッとした。各テーマに必ず理由がある笑いがあり、一歩引いて全体像を見ながら笑えた。全てに敬意を持って対等に話しており、『丁寧に失礼な笑い』なのでとても面白かった」と笑顔で語った。

 27日来場者の日本人女性は「日本での司会者としての印象が一変した。話のテンポ、内容、全てに心をわしづかみされ、ぜんじろうさんの頭の回転の速さにただ感嘆し、笑いっぱなしだった。笑いもあり、ジーンとくる話、自分にとってとてもためになる内容。また次回も参加したい」と語った。

 両公演を終えたぜんじろうさんは「日本には論理的な笑いやジョークなど考え方を聴きに行くお笑いがまだない。英語公演と日本語公演で来場者に合わせた違う内容を行ったが、シンガポールの人に『ぜんじろう』の名前を覚えてもらう良い機会になった」と振り返り、「公演を行う際、その国のタブーを聞いてそこにあえてぎりぎりのラインで風穴を開ける笑いを取っているが、両公演ともにウケていたのでつかみはOKだと思う」と手応えを明かす。

 「国際社会において『プレゼン力』を上げ、お互いに敬意を持って対等に物事を述べることがとても大切。海外ではスピーチのつかみを非常に重要視しており、欧米では当たり前だが日本でも企業のトップたちがビジネスの場でさらっと言えるようなジョークを持つべきだと思う。今回の公演を逃した人はもちろん、参加した人も、大切な人、恋人、親と一緒に次回は来てほしい。今回は残念ながら子ども参加がNGとなってしまったが、次回こそは家族で見に来てもらえるようにしたい。またシンガポールに戻ります」と抱負を語った。

 ライブ前には吉本住みます芸人のKLキンジョーさんとマレーシア人のサイドさんの国際的コンビ「ザ!スシマレーズ」が隣国マレーシアネタの漫才を行い、会場の雰囲気を笑いで温めていた。

 両公演後にはぜんじろうさんとの懇親会が日系飲食店で行われ、ぜんじろうさんは参加者との会話や写真撮影などにも和気あいあいと応じていた。